セカンドオピニオンとは、一度どちらかの医院で診断を受けられたが、治療方針についてよく判らなかったとか、他に治療の選択方法がないのか?等迷っていたり、困っている事について、一度かかった医院とは別の医院にて意見を聞いたり必要であれば診査をすることです。
つまりセカンドオピニオンとは別の医院にてすぐ治療を行うことではなく、治療方針等について意見を求めることなのです。
これは患者さんにとって大切なことであり、それぞれの医院にとって失礼なことではありません。どちらかというと一ケ所の医院のみで治療の決断をするよりは複数の医院で意見を聞き、患者さん御自身が十分納得された上で医院を選ぶことが大切です。
セカンドオピニオン制度は、もともとアメリカなどで癌など大きな治療を受ける場合、どのような治療方法があるのか?どこの病院で治療を受けたら良いのか?等に迷ったときに、複数の専門家の意見を聞くことにより、より客観的にご自身の状態を把握し、より正確な治療計画を立て、最終的には患者さんが十分納得して自由に選択決定できるように考え出された方法です。
治療を受ける場合、治療内容はもちろんのこと、患者さんと術者との間に、信頼関係が必要です。「相手の言うことはすべて信じる。」というのも結構ですが、歯科治療の方法は1つではありません。
極端な話、5人の先生がいれば5通りの治療法があるといっても過言ではありません。例えば、歯科の場合、「この歯は抜かなければだめです。」といわれることがありますが、「本当に抜かなければならないのか」という疑問がある場合もあるでしょう。そんなときに、他の医院にいって、もう一度同じように診察してもらい、「どのような診断が下されるか比較してみる。」ということです。同様に「抜かなければ駄目です。」といわれれば納得できるでしょうし、「抜かなくても治せますよ。」といわれれば、抜かなくても済むわけですから、その医院に通えばよいことになります。
医療というものはどうしても患者さん御自身には専門的なことばかりでわからないことが多く、医者の意見をそのまま受けてしまいがちです。また突然の病気や怪我などで初めての困難な事態に直面して、適切な治療方法や将来の見通しが良く判らず困惑してしまいます。
それでも目前の治療のため自らせかされる様に、充分な納得の得られないまま診療を受けてしまいがちです。
それで満足な結果が得られれば良いのですが、そうでない場合は取り返しのつかないこともあり深い後悔が残ってしまうことも少なくありません。特に以前の日本の歯科医療は説明不足のまま患者さんは歯科医師のいわれるがまま口を開け、治療がなされてきた経緯があります。
その結果、納得できる成果が得られれば良いのですが、歯科に何年も通院しているにもかかわらず、どんどんと歯は削られ、歯がなくなり不信感がつのる患者さんもいらしゃいました。(もちろん一部のことだと思いますが…)
歯科医師にもさまざまな考え方をもった先生がいます。
患者さんとの価値観が一致すれば良いのですが、必ずしもそうなるとはいきません。
患者さん御自身の身体のことですから治療は納得された上で受けられることをお勧めします。
セカンドオピニオン制度により、医療に関する情報公開が進み、カルテの開示や治療の明細等も行われるようになってきています。不適切な治療は排除され、優れた治療体制は更に進歩と普及が進んで、社会全体の医療の質の向上にも寄与して大きな満足と強い信頼関係が築かれるといわれています。またそれに伴って、適切なカウンセリングなどの必要性もとても高まってきました。
近年、歯科においてもセカンドオピニオン制度が少しずつ取り入れられてきております。特に口腔内は患者様によって状態が大きく異なる上に、繊細な治療を求められる分野です。第三者の客観的な見解を取り入れられるセカンドオピニオン制度は、歯科治療を行うには非常に適した制度だと言えるでしょう。
歯科セカンドオピニオンは、相談などを指しますので、この段階では一切の治療は行われませんので費用はほとんどかかりません。怖いことも痛いこともセカンドオピニオンでは全くありませんから、安心してなんでもお話ください。治療を受けるだけなのに複数の歯科医を訪れることに抵抗を覚える患者様もいらっしゃるかもしれません。ですが、面倒に思われるかもしれませんが、より正確な治療を受けるために、そしてより健康な口腔内を少しでも早く患者様に取り戻していただくためです。セカンドオピニオン制度は、患者様の口腔内の健康を一番に考えた制度なのです。正しい治療を受けるためにも歯科医院を選択することは大切なことです。単に家から近いから等ではなく御自身が納得される歯科医院を選択して下さい。
インプラントは特に長い治療になります。患者様がいるだけ、答えはたくさんあり、決められた公式のように正しい治療というものがあるわけではありません。患者さんは多くの場合、インプラント治療を含む医学一般に関して十分な知識を持っていません。それぞれの専門家の意見を聞くことにより、最も効率的なインプラント治療を受けることが可能になります。ですから当センターでは,他院に行くことも,他院からセカンドオピニオンを求めてくるのも良い事だと考えています。以下の事に当てはまる方はセカンドオピニオンを受けられる事をお勧め致します。
インプラントを希望しているが他院ではインプラントが出来ないと言われた方。
インプラント治療に興味があるがインプラント治療が怖い方。
インプラント治療を希望したが「入れ歯しかない」と言われた方。
インプラント治療を希望したが「ブリッヂしかない」と言われた方。
歯が悪くて治療に行ったが、「抜歯してインプラントしかない」と言われた方。
では実際に何を聞いたらいいのでしょうか?
噛み合せやバランスなど、歯の1本1本だけではなく全体を見た意見。
インプラント治療に精通した先生の意見。疑問はどんな些細なことでも聞いてみましょう。
インプラント治療はすばらしい治療法ですが、誰にとっても最適の治療法とは限りません。他の治療法の方がよい、という場合もあるかもしれません。その根拠も踏まえているならば、反対意見であっても不信がらずに聞いてみて良いと思います。
もし、歯科医院で緊張して話を聞けないようであれば、あらかじめ何を聞きたいかをメモするなどして、積極的に話を聞いてみましょう。
セカンドオピニオンに行く時の注意事としてはじめに行かれた病院で、診断書をきちんと書いてもらうことが大切です。また検査データや模型、レントゲン写真等のコピーももらっておくことが大切です。大変参考になりますのでご持参ください。なにも持っていかずに、違う病院に行ったのであれば検査も最初から行わなければならず、診断書がなければセカンドオピニオンの意味が薄れてしまいます。
インターネットが普及している現在ではメールによる相談を受付けている歯科医院も多くなってきています。実際に他の医院に行き相談するのには抵抗がある方や、忙しい方には非常に便利な方法です。
当センターでもメールによる相談は毎日のようにあります。ただし、実際に口腔内をみていませんし、レントゲン等の検査結果もありませんので、十分な回答が難しい場合もありますが、メール相談でわかる範囲でお答え致します。