「抜歯即時埋入法」は抜歯をした、その日に同時にインプラントを埋入する方法です。虫歯や歯周病で抜歯が必要と判断された場合、通常は抜歯して傷口が治るのを待ってからインプラントを埋入します。2回の手術と長い治療期間が患者様にとって負担となっていました。そこで、患者様の負担を軽減する新たなインプラント治療法「抜歯即時埋入法」が登場しました。
1. 切開、剥離をしなくて済む事が多いので痛みが少ない。
2. 切開、剥離をしなくて済む事が多いので腫れがでることが少ない。
3. 抜歯とインプラント手術の2回の外科処置が1回の手術回数で済むため身体的、精神的負担が少ない。
4. 抜歯と同時にインプラント埋入するので従来の1/2の治療期間で済む。
5. 抜歯直後は、生体の治癒力が活発に働くため傷口の回復が良い。
6. ドリルで骨を削る量・時間が少ない。
7. 歯肉(歯ぐき)などの軟組織の形態が維持しやすい。
8. 早期に審美性が回復する。
9. 骨移植、骨造成、軟(結合)組織移植などの追加手術をする頻度が少ない。
1.手術に高度な技術と繊細さを要する。(通常のインプラント埋入と違い多くの注意点がある)
2.どんなケースでも出来るわけではなく、多くの条件がある。
3.以前は骨がやせるのを防ぐことができると考えられていましたが、最新の研究論文の多くはこれを否定しています。抜歯即時インプラントでも、抜歯に伴い骨がやせていくのを防ぐことはできません。
(1)残せなくなった歯を抜きます。
(2)抜歯してすぐにインプラントを埋入します。
(3)骨とインプラントの隙間に人工骨を詰めます。
(4)状態によっては、すぐに仮歯を入れることもできます。
抜歯即時インプラント用に開発された、特殊なインプラントを主に使用します。このインプラントは、抜歯した部位への使用を目的として開発されたもので、抜いた部分がインプラントで埋まるように、上半分が斜めになっています。また、骨との結合をより安定させるため、ねじ山の間隔が狭められています。
左のイラストがチタンのみのインプラントですがチタンと骨は直接接触していません。一方、右のイラストはHAコーティングのインプラントですが、HA表面に骨の細胞質が沈着し骨と直接結合します。これにより通常約6ヶ月~12ヶ月の治療期間が1ヶ月~3ヶ月程度に短縮できます。