インプラントは世界中で100種類以上が存在するといわれています。
現在国内の歯科医療で主に使用されている日本の5社と世界の10社の製品を紹介します。
表面処理 | Sand-blasting+Acid Etch+Glow Discharge Treatment インプラントボディはJIS2種のチタンが採用され、表面はプラスティングと酸エッチング処理により均一で安定した組成となっています。表面の洗浄には国内初のシステムとして、グロー放電処理(Glow Discharge Treatment)を行っています。グロー放電処理とは純度99.99%のAr雰囲気中でイオン化されたアルゴン原子(+)をインプラント本体(-)に衝突させ、その衝撃によって表面に付着している不純物を完全に剥離するシステムです。このシステムにより、プラトンインプラントボディは表面の洗浄度をパーフェクトに保っています。 |
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ラインナップ | 多様化する臨床ケースに幅広く対応するために、シンプルな術式の「Standard(TypeI)」、カラー部の露出を極力抑え、審美的なケースに対応できる「Esthetic(TypeⅡ)」、骨内埋入エリアを最大限に増やし上顎洞底挙上術での利便性を追求した「Submargid(TypeⅢ)」、患者個々にマッチしたインプラント治療を行うことが可能な「Pro(Type IV)」の4タイプがラインナップされています。 |
手術回数 | 1回法 2回法 |
表面処理 | 再結晶化ハイドロキシアパタイト AQBインプラント被覆部表面は、純チタンの表面に高純度の再結晶化ハイドロキシアパタイト(以下、再結晶化HA)が薄くコーティングされているため(35μm)、早期に強固な骨癒合が得られます。チタン表面の歯肉接着生体高親和性処理によりインプラント表層のカルシウム、リンの存在が歯肉との接合状態を良好にする軟組織親和性も備えており、短期間で十分な封鎖性が得られます。長期の安定性を保つ独特のスパイラルシリンダー形状を有しています。 |
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手術回数 | 1回法 2回法 |
表面処理 | ブラスト+陽極酸化処理、ブラスト+HAコーティング処理 1.「FINAFIX」(ブラスト+陽極酸化処理) ブラスト処理後、水溶液中のチタン合金の表面に定電圧で直流電源を流し、チタンの表面に酸化皮膜をつくる「陽極酸化処理」 2,「FIFANTITE」(ブラスト+HAコーティング処理) ブラスト処理後、高純度の再結晶化ハイドロキシアパタイトが薄くコーティング |
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特徴 | POI・インプラント・システムは、日本製です。 (京セラと神戸製鋼所それぞれの医療材料部門の統合によって設立) 日本人の顎の大きさや骨の性状を考慮し、開発されております。京セラは日本製インプラント開発の中で一番歴史のある会社です。 |
ラインナップ | 「POIEX」は、フィクスチャー・カラー部の高さに3種類のバリエーションをラインナップし、同一術式で1回法、2回法を選択できます。また、隣在歯の歯根が近接している部位や、幅の狭い歯槽堤においても容易にフィクスチャーを埋入できるテーパータイプがあります。 |
手術回数 | 1回法 2回法 |
表面処理 | チタンワイヤーによる放電加工法 |
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特徴 | ワイヤ放電加工によって表面処理されており、骨との親和性が高いといわれている酸化チタン層が厚く強固に形成されています。表面の粗さは、15~20μmの規則正しい微小な凹凸形状をなし、この小さなお皿が並んだように見えるユニークな梨地面が、骨に対する親和性を飛躍的に高めています。 |
ラインナップ | 1. スパイラルフィット(スクリュータイプ) ボディ形態はセルフタッピング機構を付与し、埋入時の操作性に優れています。さらに特徴的なスクリューとベント形態を付与し生態力学的に安定した優れたスパイラル形状となっています。 2. プレスフィット(シリンダータイプ) プレスフィットは埋入時の操作性に優れ、しかも特殊形状ベントの付与により初期固定も強固なシリンダータイプです。 |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | 可溶性ブラスト粒子を用いたブラスト+エッチング処理 精密で均一な微細構造により、表面汚染も確実に防止されていますので、良好なオッセオ・インテグレーションが得られます。 |
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特徴 | アバットメント連結用の溝が埋入ドライバー用の溝と独立しており、フィクスチャー埋入時に変形させることがありません。「軟らかい骨~普通の骨質」での初期固定にすぐれ、解剖学的に制約のあるケースでも埋入が行えます。セティオテーパーフィクスチャーは、ツインスレッド(二条ネジ)で設計されているため埋入時間が大幅に短縮できます。 |
ラインナップ | 1. セティオ スクリュー部中央まで粗面化処理を施したスクリューフィクスチャー。アバットメントとの接合はエクスターナルヘックスです。 2.ジェネシオ アバットメント嵌合部をフィクスチャー内に設計したいわゆるインターナルフィクスチャー。 アバットメント連結用の溝と埋入ドライバー用の溝を独立させ、フィクスチャー埋形を回避可能にしています。 |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | SLA |
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特徴 | 代表的なインプラントで、ボルト部分が短く日本人に適しています。 骨との結合性も高く、費用も安価です。 ITIとは、世界25カ国の生体工学、外科、歯科など各専門分野のエキスパートで構成された、国際的研究チームの略称です。骨整形外科分野で40年以上の実績を持つ、スイスのストローマン研究所と共同でインプラントの開発を行っています。比較的、シンプルな手術方法が特徴です。 |
ラインナップ | 1. シリンダータイプ 2. スクリュータイプ |
手術回数 | 1回法 2回法 |
表面処理 | 機械研摩 タイユナイト |
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特徴 | スウェーデンのブローネマルク博士は世界で初めて、科学的に証明された骨結合をするインプラントを開発しました。 40年もの歴史と豊富な実績を誇る2回法の代表的インプラントで、現在のインプラントに多大な影響を与えました。最もポピュラーなインプラントだと言えます。 |
ラインナップ | 1. ブローネマルクシステム 症例や修復のタイプにかかわりなく、ほとんどの症例を治療することができるシステムです。 2. ノーベルダイレクト インプラントとアバットメントを一体化した即時負荷用インプラントで、フラップレスで埋入します。 3. リプレイスセレクト テーパード 天然歯根の形状を再現しています。 シンプルな外科手術が特徴であり、抜歯後の即時埋入を行うような症例や、高度な審美性が要求される部位でのインプラント埋入に適しています。 4. リプレイスセレクト ストレート ブローネマルクシステムのストレート形状と、リプレイスセレクト・テーパードのインターナル・コレクション 2つのインプラントの長所が、リプレイスセレクト・ストレートで融合されました。 |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | “Plus(プラス)”処理 インプラント表面は“Plus(プラス)”処理を施し骨にとって最適な環境をつくりだしています。更にインプラント頭部まで微細表面処理にすることにより、歯槽頂下へ埋入した場合、表面性状とインプラントポジションにより、インプラント上面に骨が付着しやすい設計です。 |
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特徴 | インプラント周囲の骨吸収を抑え、長期的な成功を収めることを目的に開発されました。接合部をフィクスチャー直径よりも内側に設定するというコンセプトは、1987年以来20年の臨床研究およびその結果により、骨吸収を防ぐために有効であることが証明されています。フィクスチャー形状はネジ山が段階的に変化し、先端に向かって徐々に深くなっているため、骨にかかる荷重を理想的に分散していることも骨吸収を防ぐ一因となっています。 |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | タイオブラスト(Tioblast) 酸化チタン粒子によるブラスト処理 |
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特徴 | ブローネマルクインプラントを改良した2回法のインプラントです。表面を酸化チタン粒子によるブラスト処理し、粗面に加工することでオッセオインテグレーションの強度を向上させており、審美性にも優れます。アバットメント周囲にあるユニークな軟組織シールは、インプラントネック周囲の骨に対して、よく計算された生体力学的な相互作用と共に、骨にとって最適な状態を確実なものとします。掛かる荷重の最適な分配、そして微小動揺と微小漏洩の無いことが、辺縁骨レベルの保存と健康なインプラント周囲組織を維持するための主な理由です。 |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | HAプラズマコーティング インプラントの表面に使われている材料は、ハイドロキシアパタイト(HA)を使用しているため、顎(あご)の中で積極的に骨と結合しようとします。 コーティング技術は、MP-1と呼ばれ、97%のHA結晶構造を有しています。その結果、コーティングの剥離や吸収の問題も本システムではほとんど報告されていません。 |
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特徴 | インプラントとアバットメントの接合様式は、スプラインと呼ばれる独自の構造を有し、アバットメントの回転抑止やスクリューの弛み防止などにすばらしい能力を発揮し、多くのインプラントに起こるトラブルを防止します。 |
ラインナップ | 1. シリンダータイプ 2. ツイストタイプ |
手術回数 | 2回法 |
特徴 | エンドポアインプラントのポーラスコーティング(多孔質被覆)は、組織とインプラントの緻密な絡み合いが可能となります。チタン合金製の微小球体が焼結することによって生じた微小な多孔質構造が骨の侵入増殖を促進させます。これによりインプラントが3次元的に骨内にしっかりと固定され、垂直、水平および回転運動を引き起こす力に対し高い抵抗性を有します。骨への固定力の向上だけでなく、フィクスチャーの長さも短縮することで、骨吸収の著しい患者さんにも適したシステムです。 |
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ラインナップ | 1. 一回法システム 2. 一回法システム |
手術回数 | 1回法 2回法 |
表面処理 | ダブル酸処理 オッセオタイト表面性状3i独自のダブル酸処理による均一の微小粗造表面は骨との高い接触率を実現しています。オッセオタイトハイブリッド表面は、軟組織と親和性が良いため軟組織の感染を減少し、インプラント周囲炎を減少させます。 ICEスーパーセルフタッピング・デザイン 埋入時の操作性に優れ、通常の骨質ではタッピング不要です。 |
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ラインナップ | 1. OSSEOTITEストレート 2. OSSEOTITE NT 3. OSSEOTITE XP |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | プロモート処理 |
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ラインナップ | 生体によりやさしく、審美性に優れたシステムとして1995年に開発されました。4種類のインプラント(フェクスチャー)形状がラインナップされ治療部位や骨の質などによって適切なタイプを選択することができます。 フィクスチャーとアバットメントの連結様式チューブインチューブデザインは機械的な安定性に極めて優れており、回転方向の誤差はほとんどありません。これにより、安定した補綴治療が行えます。 |
手術回数 | 1回法 2回法 |
表面処理 | MTX:フェクスチャー表面は、MTXブラスト処理がされています。MTXブラスト処理とは、被溶解性ブラスト材にHA(ハイドロキシアパタイト)結晶顆粒を用いて表面をマイクロピット状にし、酸処理により表面に残留したHAを溶解してクリーンな状態にする画期的な方法です。MP-1(HAコート)処理:Plasma-Spray後加熱水処理法によるHAコーティング法で、通常のプラズマ溶射法で形成されたコーティング層のHA結晶度(45~77%)よりはるかに高い96%と、HAコーティング層の溶解・消失に極めて高い抵抗値を示します。さらに表面の粗さでコーティング層の厚みは骨との接合強度試験結果で信頼性の高い50μで形成されています。 |
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特徴 | パーツ間の緩みがないという点が他にはない最大の特徴となっています。脆弱な骨質の場合でも、細い先端部から挿入するため、骨孔側壁を拡大・圧縮(セルフエクスパンション)しながら埋入しますので強固な初期固定が得られます。歯槽骨のアンダーカットや狭窄した隣在歯の歯根を避けながらの埋入を可能にし、抜歯窩への早期埋入にも適応します。 |
手術回数 | 2回法 |
表面処理 | サンドブラスト加工+酸エッチング処理 |
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特徴 | SPIインプラントは、スイス、トーメン社が製造し、日本ではアスパックコーポレーションが総代理店として平成16年2月より発売を始めた、日本で新しいインプラントシステムのひとつです。純チタン製(Grade 4)で、セルフタッピング式、インナーヘックスのスクリューインプラントです。 その特徴は、初期固定に優れ、自分の骨と結合がしやすいこと、また、インプラント本体とアバットメントの接合部が数ミクロンのギャップしかないこと(従来の物の数分の1です。)が上げられます。このことは非常に重要で、今までは2回法のインプラントシステムの場合、アバットメントをトルクレンチでネジを締め付け、そこにセメント合着にて人工の歯を取り付けていました。その接合部の適合が悪いと、長年の咬合力により、だんだんとネジのゆるみが起きる場合 がありました。(特にアウターヘックスのインプラントの場合) しかし、接合部の適合が数ミクロンだと、適度にネジを締めておけば、まずゆるむことは考えられなくなります。まだ日本ではほとんど実績がないインプラントですが、今後このようなタイプのものが主流となるでしょう。 |
手術回数 | 2回法 |