GBRとは、インプラントを埋める予定の場所にインプラントを支えるだけの十分な骨が不足している場合に行う処置のことです。
通常、インプラントを埋める手術と同時に、またはインプラントを埋める手術の前に行います。口腔内から(まれに口腔外から)、補う骨を採集して必要な場所に設置し、その設置した骨を留めるためにネジやピン、膜などを用いて固定する方法です。場合によっては骨補填材という人工骨を用いることもあり、人工骨や膜を用いる場合は、動物由来のタンパク質製剤などを使用することもあります。
GBRの成功率、予知性は高く、骨が足らない、不足しているという方にもインプラントを植えることができます。しかし、GBRは技術的に難しい面があり、またヘビースモーカーや全身的な疾患をお持ちの患者様には適応できない場合があります。
GBR法とはインプラントを行うにあたり、骨の幅や高さがない時に、骨を再生させる方法です。
インプラントを行うにあたり、インプラントを植立するための骨幅や骨の高さがない場合、そのままの状態でインプラントを行うと成功率は非常に低くなります。適切な状態で植立してこそインプラントの長期安定が望めるのです。この方法は治療期間が長くなりますが、無理な状態でインプラントを行ったとしても長期的な安定は期待できません。今後のことを考えれば確実な選択といえます。
正常な歯周組織は歯根の周囲を歯根膜が覆っています。
(1)歯槽骨(しそうこつ)
(2)歯肉(しにく)
(3)歯根(しこん)
(4)歯冠(しかん)
※骨の中に入るべきインプラントの表面が露出しています。
歯を失って歯槽骨が吸収している状態でインプラントを埋入しても周囲に充分な骨が存在しなくては成功しません。
インプラントを植立する前に骨の増大をはかる方法で、これはインプラントの前準備としてのGBR法です。まず、歯肉の中に骨の再生を促す特殊な膜を入れます。
※人工膜を使用すると膜の内側で骨が再生し骨の表面が露出しなくなります。
このように歯肉の中に人工膜を使用し膜の内側で骨が再生するのを3~6ヶ月間待ちます。
インプラントの周囲に骨が再生され冠を作成できます。
インプラントを埋入するために、大幅に骨が不足している場合に、骨移植(Bone graft)を伴うことの多い方法です。
※この状態では、骨の中に入るべきインプラントの表面が大きく露出しインプラントの埋入が不可能です。インプラントを埋入しようとしても骨量が不足しているため、インプラントを埋入できません。
歯槽骨が吸収した部分に移植骨のブロックをピンで固定し、周囲の隙間には小さい骨を詰めます。
この移植骨を固定するピンはインプラントと同じチタン性です。
骨移植後4~8ヶ月間、骨が再生するのを待ちます。
移植骨を固定するために用いたピンを再生後に除去してインプラントを埋入します。
2週後に土台(アバットメント)を装着し仮歯で噛むことができます。