インプラントの埋入手術だけであれば、30分程度、骨の再生治療をあわせて行った場合でも1時間から1時間半で完了します。
多数のインプラントを埋入する場合には、2時間以上かかることもあります。 麻酔が残っている場合には、少しお休みになってからお帰りになることをお勧めしていますが、ご来院からお帰りまで2時間から3時間程度です。また、 二回法の二次手術も 、約30分程で終了しますので、日帰りでご自宅へお帰り頂けます。
手術はやはり出血処置です。手術用エプロンなどで守られていても、血が飛んで服が汚れる恐れがあります。なるべく汚れても良い服装をお勧めします。
食事は、普通にとって下さい。そして主治医から術前投薬をされている人は、指示に従って薬を飲んで下さい。
その後のハブラシは、特に念入りにして下さい。手術は完全滅菌をして行うので、歯垢だらけではいけません。
そして、忘れてはならないのは常備薬です。動脈硬化の薬には、血液をサラサラにする作用があるものが多く(ワーファリンなど)、その為により血が止まりにくくなるため、手術には要注意です。
また、糖尿病、向精神薬、非ステロイド系抗炎症剤、経口避妊薬等の薬の中には、術前に投薬を中止した方が良い物があります。その点でもぜひ事前に主治医の先生に聞いてみてください。特に骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は、要注意です。骨粗鬆症の薬のためにインプラントの手術の後に骨の壊死をおこす場合があるからです。骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は、必ず主治医に報告してください。そして薬を中止した状態で手術をうけるようにしてください。
カウンセリングや治療計画を経て、インプラント手術当日を迎えた患者様が当日どのような流れで治療を受けられるのかをご紹介します。
受付にて診察券を渡していただきまして、患者様の心配事や、治療状況、ご希望をお伺いします。
手術室では、すでに手術の用意が済んでおります。手術に使用する器具は滅菌され、術者(歯科医)、麻酔医、第一助手、第二助手、カメラアシスタントで手術に望みます。 観血処置に必須である生態モニター(EtCo2、SPO2、心電図、血圧)、体温測定器、血糖測定器などが配備されています。
歯科麻酔の先生との面談です。手術に対する不安や緊張を和らげ、できるかぎり患者様がいい状態で手術に臨めるようお手伝いをします。
手術では静脈内鎮静法という方法を用いて麻酔をかけます。全身麻酔と違い、患者様の意識はしっかりあります。手術中も周りとの会話は出来ており、患者様は「気持ち良い」とおっしゃいます。
手術中の「口をあけてください」や、「お鼻でしっかり呼吸してください」などの指示に協力していただきながら、インプラント手術を進めていきます。
患者様はこの時点で気持ちが良いとおっしゃいます。
インプラントは、清潔なものを体の中に入れていかなければならないので、通常の抜歯手術より厳密な滅菌環境が要求されます。使い捨てのガウン、専用グローブなど大量に使い滅菌環境を実現しています。
手術中も患者様の状況に目を光らせ、手術範囲だけではなく、長時間寝ていることによる腰の痛みや、足の圧迫、点滴を取っている腕の動きなどに注意を払っております。
インプラントが終わりましたら、手術中目を閉じている患者様のために、まぶしくないようにライトの光を落してのリカバリー(回復)になります。
この時点でも患者様と麻酔医とは会話をし続けており、意識レベルのチェックが行われます。まだ患者様はボーとした感じがするとお話されます。
リカバリー後、センター長からインプラント手術の状況、手術中に起こった出来事、今後の注意事項について説明させていただきます。
通常はここまでで2時間程度になり、滞在時間のほとんどが麻酔のリカバリーや、消毒、説明時間で、実際に手術をしている時間は、1時間程度です。