一般によく聞くCTスキャンとはComputedTomographyの略です。コンピュータを駆使したデータ処理と画像の再構成で、断層写真を得ることができる装置です。
レントゲン写真は3次元の物体を2次元(平面)に投影します。つまり「影」にすぎません。CTスキャンは3次元の物体を3次元(立体)に表す事ができるのです。今まで撮影したものを平面でしか見られなかたったのですが、CTを使用する事により水平・垂直・斜めと見たい断面を自由に見る事ができます。口腔内の神経や血管の位置および骨幅、骨質などを正確に確認でき、立体的な画像診断ができるようになりました。
歯科用CTは医科用CTに比べ患者様に対する放射線被爆量が1/7(歯科用パノラマ4枚分)と低いのです。(頭頚部の一部を撮影対象としたときのCTDIw値で比較)検査被爆による発ガン性が問題となっていますが、歯科用CTは比較的危険が少ないのです。
骨だけでなく神経や血管の状態を正確に把握できます。当センターで使用しているCTは、1回の撮影時間が約18秒と短時間の上、FPDを搭載しているので高精細の3次元画像が得られます。
FPD(フラットパネルディテクタ)・・・新世代のデジタルX線センサー、X線をデジタル信号に変換するため、飛躍的に画質が向上します。従来のCT撮影に比べ8倍の解像度を有します。
歯科用CT
円錐状のビームが回転しますので、1度に多くの面が短時間で撮影できる。その為ゆがみも少ない。
医科用CT
面が少ないので位置を変えて何度も撮影しなければならない。
インプラント治療を行う前の検査として、一般的にはレントゲン撮影による術前診査が行われます。レントゲン像は全顎的な審査を行うためにはとても有効ですがインプラント治療の術前検査としては完璧なものではありません。インプラント治療の場合、骨に人口歯根(インプラント)を埋め込むわけですが、このインプラントをしっかりと骨に固定をするためには、骨の立体的な形状をどれだけ正確に把握できるかがポイントとなります。しかし、残念ながらレントゲン写真では以下の点が十分に判別できません。
もちろん、多くの場合はレントゲン写真だけで安全にインプラント治療を行うことができます。しかし、難治療の場面においては、歯科医師の経験や技量に頼ったものになっていました。
CTスキャンの導入よって影が立体になった事によりインプラント治療は大きく変わりました。
患者さんのお口の状態によっては、まずは歯周再生治療を行ってからインプラント治療を行った方がよいとか、手前は骨が太いけど奥にいくほど細くなっているから治療には気をつけた方が良いとか、従来のレントゲン写真では、なかなか判断しづらかったことが手に取るようにわかるようになりました。上顎の場合は、上に上顎洞があるため、骨の幅が足りない場合があります。また下顎の場合は、神経の通り道である神経管を避けてインプラントを行わなければなりません。いずれの場合も、CTスキャンによる3次元画像診断を行うことで、適切な治療を行うことができます。
不必要な骨移植・骨造成の回避や無切開手術(フラップレス)術式、オールオンフォ
ー術式への適応判断など安全・確実なインプラント治療には不可欠です。
インプラントの埋入手術において、インプラントを正しい位置に埋める事はインプラントに冠を装着する治療に大きく影響します。
この方向成分を考慮し理想的な位置関係を骨の形に対し診断し、位置関係をシュミレーションしてから手術を行なう事ができるようになりました。
コンピュータ・シミュレーション・システムはSimPlantという最新のコンピュータ・シミュレーション・システムを用いてCT画像を3次元的に処理することで、手術前に使用するインプランのト種類や埋入位置、角度などを正確にシミュレーションできます。
SimPlantは、No.1インプラント術前シミュレーションソフトです。
CT画像より作成する3D画像により、インフォームドコンセントにおける患者様の理解度も大幅にアップします。リアルな画像による治療計画や治療計画データから作成できるサージガイド・SurgiGuide(R)(歯科インプラント用ドリルガイド)により、安全・確実なオペの実現までをトータルにサポートします。